ツアー

パヴェル・ベルマンとモスクワヴィルトゥオーゾはイタリア各地で演奏会を行う。ここで使われる楽器は、かつてロシアの女帝と、ナポレオンとが所有していたストラディヴァリ ヴァイオリンである。

4月23日から29日にかけて優れたロシアのヴァイオリニスト達は、トリノ、パルマ、ミラノ、モデナにおいてこの2台の特別なヴァイオリンで演奏を行う予定。

ヴァイオリニスト及び指揮者としてパヴェル・ベルマンはモスクワヴィルトゥオーゾを率いて2008年4月23日から29日にかけて、トリノ、パルマ、ミラノ、モデナ等をまわるイタリアツアーを行う。ベルマンはアントニオ・ストラディヴァリのヴァイオリンのうち、最も重要かつ有名な楽器で演奏する。「ベルチエル(exナポレオン)Berthier ex-Napoleon」と、「エリザベート ペトロヴァ,ロシアの女帝 Elizabeth Petrovna,Empress of Russia」の2台である。「エリザベート ペトロヴァ」は個人所蔵であるため、公開の場でその音を聴くことは殆ど出来ない。「ベルチエル(exナポレオン)は、これまでシェリングやオイストラフなどの名ヴァイオリニスト達によって演奏された。現在このバイオリンはミラノのカナル財団(the Fondazione Pro Canale)が所有している。この組織は、イタリアの楽器の維持管理を行ってソリストやスカラ座フィルハーモニック、ライシンフォニーオーケストラ、サンタチェチーリアアカデミーといった代表的なオーケストラや才能ある若い音楽家に貸し出している。これらの重要な楽器の力を最大限発揮させるためのプログラムが組まれている。

2008年4月23日 トリノ - 音楽ユニオン、トリノ音楽院大ホール

2008年4月24日 パルマ -新パガニーニ音楽堂

2008年4月28日 ミラノ -音楽の夕べ ミラノアカデミー ヴェルディホール

2008年4月29日 モデナ -市立劇場 コンサートシーズン

 

 

 

「“The ‘Berthier ex-Napoleon’ violin by Antonio Stradivari,Cremona 1716” ベルチエル(exナポレオン)アントニオ・ストラディヴァリ ヴァイオリン、クレモナ1716」
フランス軍司令官でNeuchâtel公 アレクサンダー・ベルチエルは、このヴァイオリンをナポレオンからスペイン戦争の戦利品として与えられた。その後このヴァイオリンは1895年にフランス貴族に渡り、そこからパリのエミールジェルマンの工房、1909年シュツットガルトのエミルハンマ商会へと渡った。そこからカレッサのパリジャン商会、ベルリンのヴァイオリニスト フェレンツ・ヴェクセイに、そして最後にミラノのペテルロンゴコレクションへと移った。このヴァイオリンは、ダヴィド・オイストラフ、シェリング、グルリ、ブレンゴラ四重奏団などによって演奏された。

 

「“The ‘Elizabeth Petrovna,Empress of Russia’violin Cremona 1708” エリザベート ペトロヴァ,ロシアの女帝 ヴァイオリン クレモナ1708」
このヴァイオリンは、ロシアのピョートル大帝とエカテリーナ一世の娘の名前に由来する。エリザベートは、アンナ レオポルドヴァの暗い摂政政治の時代の後、1741年に軍事クーデターによって権力を握り王位について国を治めた。彼女自身はそれほど高度な教育を受けてはいなかったが、文化の発展に力をそそいだ。1744年に死刑を廃止し、サンクトペテルブルグ大学を創設した。また、ロシア語で歌われる最初のオペラ「ケファルスとプロクリスCephalus and Procris」を作曲したナポリのフランチェスコ・アライアを、イタリア人音楽家として初めてロシアに招聘した。女帝はこの価値あるヴァイオリンを、秘書であり愛人でもあったグリベルスキーに与えた。「ロシアの女帝」として知られるこのヴァイオリンは個人所蔵であったため公開の場で演奏されることは殆どない。